スマホの料金が気になります。MVNOの現状は?
2016.05.24
専門家がIT活用の疑問に答えます!
スマホの料金が気になります。MVNOの現状は?
MVNOは仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator)のことで、通信インフラを大手通信事業者から借りて、自社ブランドとして通信サービスを提供しています。つまり、ベーシックな通信品質は確保されたうえで、価格やサービスに特徴を出しているのです。
以前より認知度はアップしており、契約者数も2014年末の892万から2015年末には1155万となり、29%も増加しています。
理由としては、通信以外を主業とするスーパー・家電量販店等の事業者がMVNOに参入し購入しやすくなったことや、携帯電話のSIMロック解除が開始され、大手3キャリアからの乗り換えがしやすくなったこと等が挙げられます。
個人利用では活況を呈しているMVNOですが、法人での利用率は3%とまだまだ少ない状況です。
法人でMVNOを使うポイント
法人利用のメリットを挙げます。
(1)通信料金を安く抑えられる
提供データ通信量が少ない(1GB〜3GBプランが主流)ため、月額基本料が大手3キャリアに比べて大幅に安くなります。主な利用がメールやWebのチェックであれば十分です。また、MVNOによっては複数回線を契約することで割引がある場合があります。
(2)端末の選択肢が多い
SIMフリー端末やSIMロック解除された端末が利用可能ですので、ロースペックの低価格端末も選択肢に入ってきます。ただし、端末が利用可能かは各MVNOのホームページ等で確認する必要があります。
(3)海外出張に便利
海外で現地のプリペイド式SIMを購入し、差し替えることで安価に利用することができます。
(4)法人での運用にも便利
複数回線の利用状況を把握できる管理者画面やMDM(モバイルデバイス管理)の提供、請求書払いが可能なMVNOもあります。
一方、デメリットとしては以下の3点が挙げられます。
(1)一部を除いて、音声通話のかけ放題プランや無料通話がない
大手3キャリアではデータ通信に加えて通話かけ放題のプランが主流ですが、MVNOでは一部を除きかけ放題プランや無料通話がありません。業務で通話が多い場合には、専用の通話アプリを利用する、通話定額のガラケーと2台持ちにする等、運用に工夫が必要です。
(2)キャリアメールが利用不可
MVNOでは大手3キャリア専用のメールアドレス(@docomo.ne.jp、@ezweb.ne.jp、@softbank.ne.jp等)が利用できません。
会社用メールアドレスをスマートフォンで利用できるように設定して運用する必要があります。
(3)サポート体制
大手キャリアは全国に営業担当者やショップを置いていますが、多くのMVNOでは基本的にメールや電話での対応となります。
業務での使い方、データ通信量や音声通話量が選定のポイントになるでしょう。
MVNOの主な法人向けプラン
※2016年4月18日現在
※価格は税抜き
mineo | BIGLOBE LTE・3G | |||
---|---|---|---|---|
プラン | ドコモプラン | エントリープラン | ||
SIM | データ | データ+音声 | データ | データ+音声 |
月額基本料 | 700円~ | 1,400円~ | 700円~ | 1,400円~ |
データ通信量 | 500MB/月~ | 500MB/月~ | 3GB/月~ | 3GB/月~ |
通話料 | ― | 20円/30秒 ※専用アプリ利用(有料)で携帯向け18円/1分・固定向け8円/3分 |
― | 20円/30秒 ※専用アプリ利用で10円/30秒 |
月額SMS オプション料 |
120円 | 不要 | 120円 | 不要 |
その他 |
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OCN | BICカメラ | |||
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プラン | OCN モバイル ONE | BIC SIM for Biz | ||
SIM | データ+音声 | データ | データ+音声 | |
月額基本料 | 1,600円~ | 900円~ | 1,600円~ | |
データ通信量 | 110MB/日~ | 3GB/月~ | 3GB/月~ | |
通話料 | 20円/30秒 ※専用アプリ利用(有料)で携帯向け16円/1分・固定向け8円/3分 |
― | 20円/30秒 ※専用アプリ利用で10円/30秒 |
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月額SMS オプション料 |
不要 | 140円 | 不要 | |
その他 |
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ITコーディネータ
山本IT経営支援オフィス 代表
山本一郎氏