第一回 成長を目指す企業とFileMaker
【連載】成長を目指す中小企業経営者のためのFileMaker活用術
2017.06.27
この連載では、中小企業での採用が増えてきたデータベースソフト「FileMaker」の詳細と活用法を紹介していきます。
はじめに
市場が縮小傾向にある中で、成長している企業に共通の要因がないか、その企業のシステムには何か特徴があるのかということを考えたとき、企業経営者の姿勢に大いに依存することを発見しました。
成長企業の経営者には一貫した「志」を感じますし、将来的な「スケールメリット」を追求しています。また、システムの構築・運用には経営者自身が深く関与しています。
例えば、業務の拡大に合わせて社員の成熟度を高めることに取り組み、そのためにシステムの守備範囲や複雑度を徐々に上げていっている企業、代替わり後に組織力を強化する取り組みを進め、個人の頭の中にあるものを、システムを使って見える化している企業などが最近、私の周りでは増えてきました。
今、中小企業のシステムに求められること
このような成長を目指す中小企業においてシステムに求められることは何でしょうか。
一つは、自社の強みを発揮できるシステムであるということ。
もう一つはメンテナンス性です。
利用しながら追加・変更ができ、新しい技術の進化も取り込めるシステムであってほしいものです。
このようなシステムを構築しようとする際の最適な解として、「FileMaker」というプラットフォームの活用があるのです。
「FileMaker」とは
「FileMaker」は、アップルの子会社であるファイルメーカー社が発売しているデータベースソフトです。システムの専門家でなくてもわかりやすい・使いやすいというコンセプトで作られているため、開発業者やベンダーに囲われることがないシステム構築ができます。
例えば顧客管理などの業務システムを導入する際の選択肢として、手作りのシステム、Excelでの運用、パッケージの利用、クラウドの利用等があります。
クラウドは置き場所の形態であり本来は“作り方”の話ではありませんが、ここでは簡単な出来合いのシステムで1アカウント月額いくらといった形で使うものを指します。
図に、実現度(どれだけ思っているシステムにできるか)とそれにかかるコストのイメージをまとめました。
・ 手作り(オリジナル開発)は、希望のシステムが実現できる一方、コストと要件をきちんと整理する時間を要する
・ パッケージソフトは欲しい機能が網羅されている一方、自由度が少ない
・ Excelは、コストは低いが、複雑な処理には限界もある
・ クラウド型は、月額支払いでシステムを利用できるが、カスタマイズには制限がある
つまり、これらを組み合わせて補完するのが、変化の激しい時代の中で経営者の考えを容易に実現する方法であると考えられています。このときに組み合わせやすいのが「FileMaker」なのです。