【連載】あいてぃのある職場日記(14年春)
2014.04.05
「使い道」
どうでもいい話だが、うちのかみさんはかなりのケチである。
その割にいろいろルーズだったりするので私は「ズボラなケチ」と呼んでいる。
そんなかみさんであるが、今回の消費税増税は一大事だったようで、日ごろのケチぶりが嘘のように駆け込み需要に奔走していた。
- 1 年以上前から野菜室の開け閉めがままならなかった冷蔵庫をようやく買い替え
- 半年以上水漏れしていたガス給湯器を渋々買い替え
- 商売でも始めるのではないかと勘繰られるほど大量の炭酸水が玄関に山積み
などなど。
これ以外にもティッシュやら洗剤やらレトルト食品やらが家中のあちらこちらに散乱し、収拾のつかない状態になっている。
とはいえ、私が晩酌で飲んでいる缶チューハイを6 ケースも買ってくれたりしてるので、あんまり機嫌を損ねないよう足の踏み場を探し探し生活している。
一方、周りに目をやると、やれ「マンション買いました」とか「車買い替えました」とか、景気のいい話も聞こえてくるが、こと会社の中を見渡した限りでは照明が明るくなったわけでもなく、電話機がおしゃれになることもなく、パソコンが新しくなるわけでもなく(XPから換えたばかりか)、タブレットが支給されるわけでもなく…。
と残念ながら駆け込み需要の恩恵は微塵も感じられない。
駆け込みでそんなもん買うより給料3% 上げてくれやって話か。ズボラなケチ曰く。
そういや、駆け込み需要の売上もなかったな。
世中渉(よのなか・わたる)
著者プロフィール:メーカーに入社27年目の元営業職。
出世はおまけと割り切りつつも、上司と部下に挟まれて迷い多き日々をおくっている中年風中間管理職。