【連載】あいてぃのある職場日記(17年夏)
2017.12.20
「商売繁盛」
こう見えて(大半の読者の方には見えていないが…)、私は営業職である。
とはいえ、プロフィールにもある通り「元」営業職なので直接売ったりはしていない。
ものは売ってないが油は売っている。油は売っているが媚は売っていない。そんな元営業職である。
そんな私だが、商売とは一切関係ない、とある地方の「そうめん」を大量に売っている。
「売っている」と書くと儲けているように見えるが、商売ではなく紹介という感じで、手配の仲介をしているだけなので一切儲かっていない。原価そのままにボランティア感覚で知り合いなどに紹介しているだけである。
なんでそんなことを始めたのかというと、元々は知り合いからお中元でいただいていたものを「ぜひ紹介して」と送り主から頼まれ、だんだん製造元と直接やり取りするようにもなって今や何を生業にして生きているのか分からないような状況になっているわけだが、とにかく一度食べればそのうまさに納得するし、まとめて買えばかなり安いので積極的に紹介しなくても毎年かなりの物量が売れるようになった。
儲かってないので、COMPASS誌に広告掲載するわけにもいかないが…。
このご時勢にクチコミだけで商売し続けるそうめん屋。ウェブでも立ち上げれば私ごときに頼まずともたくさん売れると思うのだが、面倒なのか、儲ける気がないのか…。
っと、すっかり暑くなってきたので今年もそろそろ注文しないとな。
何を隠そう、我が家が一番のビッグユーザーなのである。
世中 渉(よのなか・わたる)
著者プロフィール:メーカーに入社29年目の元営業職。
出世はおまけと割り切りつつも、上司と部下に挟まれて迷い多き日々を送っている
中年風中間管理職。