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「キャッシュレス・ポイント還元事業」の開始にあたり

2019.09.25


10月1日より、経済産業省の「キャッシュレス・ポイント還元事業」がスタートします(2020年6月まで)。

本事業は、国内でのキャッシュレス推進を図るため、消費税増税のタイミングでキャッシュレス利用時にポイント還元を行うものです(結果、消費の平準化を狙う)。

ただ、日本においては、現金が安定的に利用できるうえ、諸外国のように、圧倒的に普及しているキャッシュレス決済手段がありません。

また、ここ1年ほどで多数の決済サービスがスタートし、派手なキャンペーンもあったり乱立状態です。

「そもそもキャッシュレスを使う意味があるのか」「どれを使えばよいか」など消費者側も店舗側も戸惑っている状況です。

テクノロジーは進化中であり、いずれ安全で利便性の高い決済手段に絞られたり使い分けがなされると予想されますが、今は過渡期です。

 

そこでCOMPASSでは、無理のないキャッシュレス決済の導入、無理のない利用をお勧めしています。

例えば、混雑する東京では交通ICカードが必須であるため、「Suica」や「PASMO」が普及していますが、車利用が多い地域はそこまでの必要性はないからです。

 

「キャッシュレス・ポイント還元事業」 勘違いしやすいこと

この事業は、手を挙げた中小企業店舗のみにおいて、その店(ネット店舗含む)が指定した決済手段で買物をした際に、5%(フランチャイズは2%)のポイントまたは相当分の金額が還元されます。

 

 

 

連日のように報道がなされていますが、「実際のところ」について誤解も多いようです。

消費者からの観点で以下にまとめましたので参考にしてください。

 

●1●
この事業は、あらかじめ申請し登録された中小企業だけが対象です。
すでにクレジットカード等の対応をしている店でも、申請していなければ対象になりません。

●2●
「キャッシュレス」ならなんでも対象になるわけではありません。そのお店が指定したキャッシュレス決済手段のみで、ご自身が使っている決済手段とマッチしないことがあります。また、例えば、10種類のキャッシュレスを導入している店でも、還元対象になるのは3つのみ、ということがあります。

●3●
つまり、お店ごとに対応が異なりますので、店舗のポスター等で確認してください。

●4●
還元の仕方は、国で統一方法があるわけではなく、決済事業者・フランチャイズ等により異なりす。
多くのケースでは、何もしなくても自動的に還元されてしまいます。

ただし、交通系ICカード等一部の手段では、消費者の事前登録によって還元対象になります(選択権がある)。

還元方法は、後日ポイント還元、その場で相殺(支払い額から値引きのような状態)、後払い型で請求時に差し引く…等こちらも様々です。いろいろな決済手段を使うと還元状況のチェックに手間がかかりますね。

また、決済手段ごとに還元の上限も設定されています。

さらに、お店が属しているECサイトやフランチャイズがこの事業に登録しており独自の進め方があれば、それも加味されます(例えば、楽天市場、セブンイレブンなど)。

事業を紹介するサイトにて、代表的な決済手段の対応が発表されています。 

 「ポイント還元事業 主なキャッシュレス決済サービス」(経済産業省)

●5●
事業参加店でも、原則的に現金はこれまで通り使えます。

 

このように、店の対応状況、店舗の成り立ち(フランチャイズか、ショッピングモールかなど)、決済技術、決済事業者の状況など複数の決定要素があり、複雑です。「キャッシュレスで決済すれば、いつでも還元される」のではありませんので、ご理解ください。

「いつのもお店で、自分の使っている手段が対象になったらラッキー」くらいの構えがちょうどよいと思います。

独自のセールやポイントアップを行ったり、現金商売で良質なものを安く提供する店もありますので、この事業だけにとらわれず、増税と向き合い、地域の良い店をみつけ、賢い消費をしてきましょう。

 

<注意点>

カード番号を聞いたり、スマホの操作を代行すると見せかけて情報を得る詐欺などが増えると推測されます。ご自分で設定できないアプリは使わないことをお勧めします。また、個人情報の扱いは事前に確認してください。心配な方は、10年以上続いている決済手段をお勧めします。

下記にも注意点を整理しましたので、参考にしてください。

 お知らせ「一般消費者としてキャッシュレス決済を利用するにあたって」

COMPASS編集企画室