『世界に響け職人の心意気』にいただいた識者の方からの書評
2015.07.01
『世界に響け職人の心意気』に、識者の方からの書評をいたただきましたので、ご紹介します。
ビジネスサポートエム 御田村瑞恵様(中小企業のIT経営支援・セミナー講師を数々実施)
いろんな書籍を読んだが、これほどページごとにはっとさせることはなかっただろう。私の書籍は付箋だらけになった。
すべてが実話である中にキーワードやヒントが散りばめられ、表現力も豊かで、ときに共感し、ときに感動し、小説を読んでいるのではないかと錯覚するほどだった。
組子と言われてもぱっとひらめかなと思うが、ラティスと言えばガーデニング用品で見かけたり、自然食などのレストランなどの仕切りなどで見かけることがあり、身近に思うが、それには数々のドラマがあった。
中小企業の社長であれば悩むように谷端氏も悩み、そして決断する。私も会社を立ち上げてから、幾度となく決断しなければならないときがあったが、自分の思いと環境の変化を見据えることの大切さを改めて感じた。和を洋にも活かすことができる、だけど「和」であり、「メイドインジャパン!」そんな職人の情熱とひたむきさが伝わってくる。職人に限らず、どんな仕事でも仕事として成り立たせている以上は、その分野の知識や技術力があって当たり前だが、それ以外は不要ではない。それを谷端氏は「血が通った」と表現している。経営者にとって最も重要な会社の存続、という側面からも大変参考になるのではないだろうか。
明治大学経営学部教授 岡田浩一氏
祖父と祖母が工場をやっていたこともあって、私も子供の頃には工場で職人さん達に相手をしてもらっていた。そんなこともあって、「うん、今日はいい音しとる」から始まって読み進むうちに、身体に一閃が走った。国際競争の激化の中で伝統工芸の衰退とともに、職人の技も失われていくことは本当につらいと思っていたが、厳しい国際競争のなかで伝統工芸と職人の魂を感じさせてくれた。
伝統工芸は「守る」ことが使命のようにみられるが、「攻める」精神が消えた時点で輝きが失せてしまう。伝統は「守り」でもあるが「挑戦」することがなくなはならないことを心に感じさせてくれる一冊であった。
武蔵大学経済学部教授 松島桂樹氏
この本は、日本の良さを守りつつ、新たな時代の変化に対応してきた経営者の話である。またITという新しい道具を苦労して使いこなしたIT 経営の成功話でもある。
最初に、著者の父が、コンコンという“ げんのう”の音を息子に聞かせるところから始まり、そして、著者が、同じ音を息子に聞かせるところで終わる。まるで大河小説を読むような、ゆったりとした時間のなかで、この「コンコンという音」が激動の50 年間に響いてくる。
日本では、9.11 テロ、リーマンショック、3.11 東日本大震災を経て、これまでの成長モデルへの大きな反省が渦巻き、機能分断的な考え方から、つなぐことの重要性が声高に叫ばれている。背景には社会システムにおける人のあり方への問いかけがある。この本でも素直な反省が芽生えており、その考え方の変化は、いま、地方再生への道筋として見直されていること、そのものである。
さらに、この本にはテレビでホームドラマを見ているような温い読後感もある。苦難と葛藤を経て事業を継承するという、まさに今の日本で最もうらやまれる家族再生のホームドラマも展開されているのである。
この50 年間で家族関係は変わったが、それでいいのかという気持ちが多くの人に生まれている。実は今、皆ひそかに家族関係を作り直したいと思っている。次の社会、経済を作るために、この本が不可欠だと感じるに違いない。
そして事業承継におけるIT活用の有効性、それを、国を挙げて支援していくことの必要性も感じた。
ITコーディネータ協会会長 播磨崇氏
社長が経営者として成長されていく過程が見えました。ただ、グローバルビジネスに対応するために、どのような苦労がありITが如何に支援出来たのか、についてもっと詳しく書かれていればと思いました。
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