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顧客の声を聞く姿勢から生まれた2サービス

オービックビジネスコンサルタント 大原 泉取締役 (営業推進本部本部長)

2016年 冬号 2016.03.15


オービックビジネスコンサルタント
大原 泉取締役 (営業推進本部本部長)

マイナンバー制度とストレスチェック制度にどう対応するか──。中小企業が直面した課題にいち早く解決策を提示し、多くの企業から支持を得たオービックビジネスコンサルタント(OBC)。その足跡とIT企業としての経営姿勢について、大原泉取締役に聞いた。(編集部)
(文中敬称略)

顧客の声を聞く姿勢から生まれた、新制度対応の2サービス

──対応が必須となったマイナンバー制度とストレスチェック制度(従業員50人以上の事業場)が動き出しました。御社は早い時期から情報提供を開始されたのが印象的です。

大原 基幹業務システムを提供している当社が、法制度改正に対応するのは当然のことで、2014年秋の「奉行フォーラム」を皮切りに、2つの法制度をテーマにしたセミナーを継続的に行ってきました。

──反応はいかがでしたか。

大原 多くのお客様に来場・聴講いただき盛況でした。当初は具体的なサービスがありませんでしたが、制度の情報提供をしつつ、お客様のニーズを把握するよう努めました。これが「OMSS+マイナンバー収集・保管サービス」「OMSS+ストレスチェックサービス」の開発へと結びつきました。

奉行フォーラム2015でのマイナンバー関連セミナー。多数の来場者で満席だった。

奉行フォーラム2015でのマイナンバー関連セミナー。多数の来場者で満席だった。

──どちらも「奉行シリーズ」ユーザーに限らず利用できるようにしましたね。

大原 実は、セミナーに参加された方のうち当社のお客様以外の比率が約5割もあり、「システムを入れ替えるのはハードルが高いが、法制度に対応する仕組みはほしい」という声も多くいただきました。そうしたニーズに対応したうえで、「奉行シリーズ」との連携による付加価値も組み込みました。

──「顧客の声を聞く」ことをかなり重視されていますね。

大原 その点は企業文化として定着しているといえます。
例えば、お客様との一番の接点となるサポートセンターには、開発、営業、企画の各社員がローテーションで携わります。お客様の声を直接聞き、内容を次期商品の開発に反映させているのです。専門のオペレーターに全部任せたほうがコストは下がるかもしれませんが。

──ストレスチェックサービスでは専門医の紹介までセットにしたのもインパクトがありました。

大原 中小企業では産業医とのつながりがあまりないと思われるので、制度対応で肝心となる“実施者=医師・保健師”の確保も支援しようと考えました。
ストレスチェックは、「義務化されたからやった」というだけでなく、従業員の健康管理、職場環境改善を通じて、人材の確保・育成を図る取り組みと捉えたいものです。

──中小企業を支援する立場として、今後の意気込みを聞かせてください。

大原 中小企業が大手・中堅企業に負けないためには、IT化の推進によって経営・業務のスピードと効率を上げる努力が必要です。そうした取り組みを今後もしっかりと支えていきたい。「Windows 10」に対応した「奉行10シリーズ」には“人と業務をつなぐ”というコンセプトで会社全体の生産性向上につながる新機能を盛り込みました。今後もお客様のニーズを汲んだ商品を充実させていきます。