待望の、商工会議所によるマイナンバー対策
2016年 春号 2016.08.27
ついに登場!支援機関による運用管理サービス
「商工会議所マイナンバーサービス」スタート
マイナンバー制度がスタートした。大きな業務となる年末の源泉徴収票発行に向けた社内体制は構築できただろうか。
「マイナンバーの概要はわかったが、自社でどんな管理体制を作ればよいのか、具体的な方法がわからず、まだ取り組んでいない」という企業も、多いことだろう。
特にガイドラインの「安全管理措置」に基づいたマイナンバーの収集・保管の方法は悩みどころだ。社員数は少なくても、給与を支払うアルバイトやパート勤務者、報酬を支払う講師や専門家などのマイナンバーも集める必要があり、かなりの数になるケースもある。
このような企業に朗報がある。
公的支援機関である商工会議所が提供し、ガイドラインに沿った運営方法をサポートする「商工会議所マイナンバーサービス」が4月からスタートしたのである。
安全管理措置に対応したクラウド型サービス
同サービスの運営元は、「商工会議所遠隔地データバックアップサービス」の提供で知られる北大阪商工会議所(大阪府)と松本商工会議所(長野県)である。
サービスを企画した背景について北大阪商工会議所の常務理事・山下安則氏は次のように説明する。
「昨年はマイナンバーセミナーを多数開催し、情報をお伝えすることはできました。ただ、その後、具体策がわからず対策が進んでいない現状が見えてきたのです。ならば、商工会議所が“どうすればよいのか”まで踏み込むべきだと…」
採用したのは、堅牢性が高くセキュリティ対策が施されたクラウド上で管理する仕組みだ。インターネットにつながる機器から各自がマイナンバー情報を自分で入力できるので、管理部門の手間が軽減される。アクセス時はID・パスワードに加え、暗号化通信によってセキュリティを高めている。
また、マイナンバーのリストを一覧表示する画面では下2桁以外は伏字にし、「のぞき見による漏えい対策」もなされている。
つまり、「商工会議所マイナンバーサービス」を使えば、衝立や金庫などの物理的な措置をせずとも、マイナンバー運用の安全管理措置に対応できるのである。
マイナンバー管理の負担を軽減し本業に集中できる環境を!
各地の商工会議所が地域の企業の窓口に
サービスの展開にあたっては、「各地の商工会議所が窓口となって地域企業に当サービスを提供いただくモデルを考えています」と松本商工会議所の理事・情報事業部長の米窪英人氏は話す。
現在、サービス提供窓口となる商工会議所を募集しているところだが、高い関心が寄せられているという。商工会議所自身が所内のマイナンバー対策に利用し、同時に各企業に提供すれば、きめ細かいサポートがしやすいだろう。
「マイナンバーはここに預け、落ち着いて本業に入っていただければと思います」と山下氏と米窪氏は力を込める。
「商工会議所マイナンバーサービス」は、商工会議所の会員企業には特別価格で提供している点も見逃せない。この機会に最寄の商工会議所の会員になるのもよいだろう。
1カ月間、無料で試せるので、Webサイトにアクセスを!