働き方改革は誰のため? テレワーク月間
2016年秋号 2016.11.10
仕事場をオフィス外にも広げると
業務の効率化・人材活用がもっと進む!
仕事=会社でするもの、という概念が変化している。「テレワーク」の名称で推進されてきた社外での業務遂行の形が、「働き方改革」の主要な手段の一つとして、本格的な普及期に来ているのだ。
テレワークは「在宅勤務」の面が強調され「特殊な会社・業種のもの」と誤解されやすい面もあった。
目指すところはどこなのか。会社にとってのメリットは?
それは、モバイルやクラウドなどICTを上手に使って「社外でも時間を有効活用し、段取り良く業務を進めて、経営効果を上げる」ことだ。
例えば、アポイントの間に空いた1時間に報告書と見積書を作成できたら帰社後の残業が減るし、子どもが病気で1時間早く帰宅したが落ち着いたとき、仕事の続きができれば部門や顧客への影響を最小限にできる。
経営陣だけ、営業担当者だけ、小さな子どもがいる社員だけでも良い。「社外でも仕事ができれば便
利な時がある」部署・担当者から部分的に導入して、下記のような、働き方改革による効果を実感してみたい。
テレワークの普及を行政と企業が推進する
2016年11月は、テレワーク普及推進施策の一つ「テレワーク月間」である。関連4省、学識者、民間事業者等が構成するテレワーク推進フォーラムが主唱する活動だ。
①「試みる・実践する」
②「学ぶ・議論する」
③「応援する・協力する」
の3分野で、体験の場やセミナー、表彰事業「テレワーク推進賞」、導入事例などを提供し、企業が新しい働き方に挑戦する機会を創出している。
テレワーク推進フォーラムに参加し、ICT面でのサポートを推進する一社が日本マイクロソフトである。
同社は、10月17日〜10月21日に「日本マイクロソフト 働き方改革週間2016」と称したプロジェクトを実施。「働き方改善特別セミナー」の開催、賛同企業へのタブレットPC「Surface」及び関連機器の貸し出し、さまざまな場所・端末でOfficeソフトを使える「Office 365」の3カ月間無償提供及びセットアップ支援などを行ってきた。
マイクロソフトが提供するツール、さらに事例やノウハウなどを積極的に活用してもらい、具体的な実施や働き方改革の体験を後押ししようというものである。
ここでは二つのツールについて、働き方改革との関係を見てみよう。
どこでもOfficeソフト コミュニケーションツールも
社外で仕事を進める際、ほとんどの企業でメールやWord、Excelのファイル利用が必要になるはずだ。
Office 365では、タブレットやスマートフォンなど多様な端末でもOfficeソフトを使えることに加え、
・クラウド上で安全に最新のファイルを共有できる「OneDrive for Business」
・互いの顔や同じ資料を見て会議ができる「Skype for Business」
など、離れた場所で業務を円滑に進めるツールがセットされている。
さらに、メールに関しては、パソコン、タブレット、スマートフォンの、どの端末から返信してもその内容は一元管理されるため(IMAP方式)、「出先で急いで返信したが、そのメールがスマホだけに残され、あとでわからなくなる」といった問題は生じなくなる。
状況に応じて多様な機器が使え、またどれを使っても機器に依存せず情報を一元的に管理できるところが、テレワーク推進の基盤サービスとしてOffice365が重要な役割を担うゆえんである。
社外で情報を活用するにあたってはセキュリティが気になるが、例えば最新の「Surface Pro4」では顔認証に対応したほか、クラウドやネットワークのパスワード以外に、端末ごとのパスワードも設定でき、多層の認証でセキュリティを高めている。
日本マイクロソフトでは、テレワークに初めて取り組む企業向けにWebでできる簡易診断システム「働き方改革テレワーク課題診断シート」を用意している。働き方改革に長けたビジネスパートナーが各地で支援できるのも心強い。
地域密着で働き方改革を支援するマイクロソフトパートナー
●ハーティスシステムアンドコンサルティング
http://www.heartis-sc.co.jp/
Office 365 を活用する事務所として、自社オフィスの視察会を実施している同社は、自ら多様な働き方を実践し成果を上げるポイントの研究を続けている。
100 社を超える企業へのOffice 365 導入支援実績を持ち、ファイル共有やメール利用、コミュニケーションなどの活用はもちろん、運用にあたってのノウハウを提供できるのが強みである。
2016 年7 月、アウトドア製品を提供するスノーピークとともに、豊かな自然を感じながら働く新しいワークスタイルを提案するスノーピークビジネスソリューションズを設立。組織・地域の活性化を支援する。
●富士ゼロックス
https://www.fujixerox.co.jp/solution/network/mobile/workstyle.html
同社は、営業現場における体質強化、営業付帯業務の削減および営業の行動量創出のため、「業務BPR」「制度/ルール導入」「モバイル活用」の3 つの施策を実施。「営業働き方変革」の結果、総労働時間を10%削減し、顧客との面談時間等を70%アップすることができた。
このノウハウを元に、Office 365 をはじめとしたICT サービスの提供はもちろん、運用体制や管理―制度設計や、自由度とセキュリティ対策のバランス―など、さらに踏み込んだ相談にも応じている。
やってみると見えてくる!
場所を問わない働き方にはどんな方法があるのか、先進企業は何に気を付けて運用しているのか。
マイクロソフトのWebサイトで動向を掴み、何か一つ実行してみよう。
トライアルした企業によると、「あの不便さはなんだったのか」「運用はこう工夫したらよいかも」と、実施して初めて見えてくることがたくさんあるという。その体験が会社をさらに働きやすくしていくに違いない。
<まずはここから!>
●日本マイクロソフト働き方改革推進プロジェクト
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