Webの表現、ここに着目したら来店者が増えた!
2017年秋号 2017.09.12
優れた技術を普及させるサイトリニューアルとは?
―福井県福井市・リラクゼーションサロン COCOCHI+PLUS
こわばっていた肩回りにスーッと風が通っていく感じ。そして目がくっきりと──約20分の器具を使ったヘッドデトックス。片頭痛や癖毛が穏やかになる人もいるという。
ここは福井県福井市のバリスタイル・リラクゼーションサロンCOCOCHI+PLUS(ココチプラス)である。
「ヘッドデトックス」とは、頭皮の下に溜まった老廃物や疲労物質の排出を促すマッサージ。普段の洋服のまま座って受けられる。ただ、頭皮の洗浄を行う「ヘッドスパ」と混同されやすく、認知の途上にある。
「ヘッドデトックスはこれまでの技術とは体感が違う。これだ!と2016年3月に開業しました。ただ、来てくださるのは良さをご存知のコアなお客様。売上は伸びず、数か月後には、資金が行き詰まってきたのです」
社長の大関真梨子氏は開業後数か月で経営危機に直面した。
どうやって良さを知ってもらい顧客を増やすか。
閉店も頭をよぎった夏、知り合いから「福井県よろず支援拠点」(実施機関:公益財団法人ふくい産業支援センター)で無料相談が受けられることを聞いた。
顧客の悩みは何か サイトをコツコツ改変
販促費用がかけられないため、頼みはWebサイトである。当時チーフコーディネータを務めていた先織久恒氏は、「ヘッドデトックス」という言葉はネットであまり検索されていない事実を提示。顧客が検索する用語(困りごと)を使って文章を書き直していくことを提案した。
「頭痛」「肩こり」「目の疲れ」そして地名。顧客本位の文章に変えた。そして混同されやすい「ヘッドスパ」も顧客から見れば同じカテゴリーと捉え、単語を組み込んだ。
毎週のように相談に通い、サイトアクセス者の動向を分析し、改良…。これを繰り返すと10月には顧客が目に見えて増加してきた。
「どんな言葉で検索されましたか、と聞き、『頭痛 福井です』と言われたときには、狙い通りと喜びました」と大関社長は話す。
2017年春には、縁あって車での来店もしやすい美容院の2階に移転。新しい店舗のWebサイトは、先織氏のサポートにて「小規模企業持続化補助金」を活用して制作した。以前の店舗のサイトはアクセスが多いので残し、リンクを張っている。施術の様子を動画で公開し、来店前に内容を掴んでもらえる工夫もしている。
「サイトの更新は大変で何度も挫折しそうになりましたが、お客様に喜んでほしいという思いが自分の原動力になっています。新規のお客様のほとんどはWebからです」と語る大関社長の目から、手ごたえと強い意志を感じた。
次の目標は多店舗展開、そして海外への進出だ。10年計画を立て実行していくとのことだ。
社名 | COCOCHI+PLUS |
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所在地 | 福井県福井市大町2-107 HAIR MAKE「arika」2階 |
設立 | 2016年3月 |
従業員数 | 3名 |
事業内容 | リラクゼーションサービス |
URL | https://www.cocochiplus.jp/ |
サポーター紹介株式会社コスモタウン 代表取締役 先織久恒氏(ITコーデイネータ) 2016年度まで福井県よろず支援拠点のチーフコーディネータとして活躍。2016年度の相談者満足度調査第二回では、満足度100%という結果を示した。 COCOCHI+PLUSの支援では、Webサイトのアクセスを増やすキーワードの抽出を指南した。 「お客様は何に悩んで何を解決してほしいのか。それがそのまま来店動機になりますので顧客の立場で考えていただくようにしました」と説明する。寄り添いつつ自律的な動きをサポートする伴走型支援の在り方である。 |