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知っておきたい最新用語解説―RPAとは?

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2018年冬号 2017.12.14


 

用語解説 RPA(Robotic Process Automation)

解説:梶川祐朗氏

執筆
梶川祐朗氏
株式会社エネルギア・コミュニケーションズ
ITサービス事業化プロジェクト
(ITC瀬戸内ルネッサンス研究会)

「RPA」とは、ロボットによる業務自動化の取り組みを表す言葉です。

 「デジタルレイバー(Digi tal Labor)」や「仮想知的労働者」とも言い換えられ、人間の知能をコンピューター上で再現しようとするAIや、AIが反復によって学ぶ「機械学習」といった技術を用いて、主にバックオフィスにおけるホワイトカラー業務の代行を担います。
 ここでいう「ロボット」とは手や足のある人の形を模したものではありません。「ロボット」と言える一定の条件を満たしたソフトウェアを指します。
 人間が行う業務の処理手順を操作画面上から登録しておくだけで、社内業務用ソフトウェアや、ブラウザ、表計算ソフトなどさまざまなアプリケーションを横断して処理します。

注目された背景

 RPAが注目されてきた背景には、人間と共存し、業務を分担することによって売上や生産性の向上に寄与する働きへの期待があります。
 また、これまでのIT化と異なり、大きな初期投資を必要とせず、業務の変化にも対応しやすいというメリットもあり、現場業務の中から成果を生み出すことができる画期的な方法としても評価されています。

RPAの活用シーン

 すでに首都圏の大手保険会社、金融機関、エレクトリックコマース企業などで活用事例がみられます。導入の効果が生産性向上に直結することから、労働力不足対策や働き方改革と一体での取り組みが多くなっており、今後は労働人口の減少が懸念される地方の中小企業にも広がっていくものと思います。
 RPAの導入にあたっては、一般的にPoC(Proof of Concept)と呼ばれる事前検証作業を行い導入効果を予測します。
  ①業務・環境分析
  ②ロボットの試作
  ③実行効率測定
  ④導入効果想定と導入計画策定
 特に①の業務・環境分析では、ITコーディネータ等専門家による業務プロセスの分析やプロセス改善が非常に役立つと考えています。

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 現段階では、単純なバックオフィス業務に適用されていますが、AI技術の進化により高度で多様な判断機能を取り込み、適用の幅がさらに拡大していくことが期待されています。