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IoTの力で社会的な課題にアプローチ!お手軽にIoTを活用する方法とは?

2018年 夏号 2018.06.23


少子高齢化に伴う労働力不足は、企業にとっての共通課題。その解決策の1つといえるのがIoTの活用による業務 の効率化や省力化だ。
実際にIoTがどう活用され、どのような効果が出ているのだろうか。

農業分野の検証で成果 省力化に加え損失回避も

2017年2月からNTT東日本が各地で実施したIoT活用の実証実験では、例えばあるぶどう園でセンサーの導入前後 でビニールハウス巡回数が20%削減されたという具体的な成果が出ている。

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この実証実験は、山梨県山梨市、フルーツ山梨農業協同組合(JAフルーツ山梨)、バイオベンチャー企業のシナプ テック社との共同プロジェクトとして行ったものだ。

ぶどうを栽培するビニールハウス内に設置されたセンサーやカメラが温度や湿度、二酸化炭素量などの測定結果や ビニールハウス内を撮影した映像をクラウドに送信。ユーザーはインターネットに接続されたパソコンやモバイル 端末でリアルタイムに確認できる。ぶどうの生産状況や環境の変化を遠隔でも察知できるようにした。

これにより、生育管理の難しいシャインマスカットの栽培において、ビニールハウス巡回数の20%削減、異常の見 落としによる損失発生のリスクの回避( 10アールを全損した場合で平均約450万円の被害)といった、数字で表せ る確かな導入効果が得られたという。

今回の実証実験では、センサーの測定結果を活用してJAフルーツ山梨が営農指導を行うことで、長年の勘や経験で はなく、データに基づいた栽培を可能にしている。作物の品質の向上・安定化、新品種栽培への取り組みやすさ、 新規就農者や後継者への技術継承のしやすさの向上(就農の容易さの向上)なども期待でき、まさに自治体やJAな ど地域のパートナーが連携して取り組んだIoTと言えるだろう。

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IoTをパッケージで提供 導入から運用まで全面サポート

このような効果が期待できるIoTをいざ導入しようとした際、どんな機器をどう接続してどう使うかなど、導入 や運用に難しさを感じる場面もあるかもしれない。

そこでNTT東日本では、IoT実証実験で構築されたシステムの基盤である、
 ① 現場に設置されるIoTセンサーやIoTカメラ(対応デバイス)
 ② ゲートウェイの役目を果たすサポート付き簡単Wi -Fiサービス「ギガらくWi -Fi」
 ③ 現場からのデータを可視化するための、対応クラウドサービス
の3つを組み合わせ、さらに
 ④ IoT活用のサポートサービス
もセットにし、導入から運用までトータルにお手軽なIoTサービスを提供することとした。

これが実証実験の現場から生まれたニーズをもとにつくられた「ギガらくWi -Fi IoTサポートオプション」である (2018年1月提供開始)。


サポートサービスでは、対応デバイス・Wi -Fi・対応クラウドサービスの初期設定から接続確認、利用方法に関す るヘルプデスク、設定変更代行、故障診断や装置交換手配などのトラブル対応、加えて収集データの月次レポート と、広範囲にわたって支援する。

さらに、実証実験で実績をあげた農業分野でのサービスパッケージ化を先陣に、今後は業種・業態や用途別のクラ ウドサービス、運用サポートをパッケージにしてラインナップを拡充していく予定だ。

 

工場向けの IoTを検討中

工場向けには、機械の稼働を示す赤黄緑のランプの色を識別するセンサーとカメラを組み合わせ、稼働状況を把 握・管理する仕組みをサービスとして検討している。

2018年4月現在、横浜市経済局、金属加工業の協立金属と取り組んで製造ラインの稼働状況把握・管理の実証実験 を行っている。
設備稼働異常の早期発見による休日出勤人件費の削減や、可視化データをもとにライン稼働状況を把握・改善する ことによるラインの稼働率向上、カメラ映像を活用した作業員動作把握を通してスキルを平準化することによる、 作業員全体の生産性向上といった導入効果を得られたという。

他にもNTT東日本ではさまざまな分野でトライアルを行っており、今後の広がりに期待が高まっている。

社会的な課題である労働力不足にアプローチするために、お手軽に導入・運用できるIoTサービスを検討してみて はいかがだろうか。

 

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