【用語解説】知っておきたいIT用語―5G(ファイブジー)
COMPASS2019年秋号 2019.08.07
用語解説―第5世代移動通信システム 5G(ファイブジー) とは?
新しい通信方式「5G」は世の中をどう変えていくのか。
NTTドコモの5G担当者である大西智之氏に解説いただいた。(編集部)
NTTドコモ 法人ビジネス本部
5G・IoTソリューション推進室
大西智之氏
5Gとは「ファイブジー」。Gはジェネレーション、つまり第五世代の移動通信方式を意味します。
26年で54万倍の通信速度に
NTTドコモでは、2019年9月20日からプレサービスを実施(ラグビーワールドカップで試していただけるタイミング)、2020年春には商用サービスを開始する予定です。端末も新方式に対応したものを発売します。
5Gの標準化仕様では発展の方向性が2つ定義されており、新しい周波数帯を使用するものと、現在の4Gで展開しているLTEを発展させるものがあります。
2019年度冬には現在の第四世代(LTE)において、受信時最大1576Mbps を提供開始予定です。
第一世代における携帯電話では1993年時点での通信速度は2.4kbps でしたので、通信技術の発展的な進化により、通信速度は26年間で54万倍と、飛躍的に高速化しています。
高速、低遅延、多数接続
5Gの特徴は、次の3点です。
①高速・大容量
②低遅延
③多数端末接続
5Gは、通信の上り・下りともに現LTEよりさらに高速通信を可能にし、低遅延も実現できます。
活用用途として遠隔医療が例に上がります。鮮明な医療用画像や様々な医療用データなどをリアルタイムに共有することが可能となります。
また、スマートシティ化や農業に代表される、多数のセンサーから情報を取得するIoT活用においても、5Gは強みを持っています。
当社では、お客様とともにすでに170件ほどの実証実験を行ってきました。その中には、「人型ロボットの遠隔操作」もあります。
人型ロボットから、広い視野での視覚・触覚データをリアルタイムに取得し、遠隔地にいる人が判断して動作。それをロボットが再現します。人が入れない危険な場所でもモノをつかむ・動かすなどの動作をロボットに行わせることができます。
5Gの高速・大容量、低遅延の特徴を生かした活用方法の一つです。
「使いたい」要望に沿って
提供エリアについては、「使いたいというご要望」が顕在化した場所から展開する方針です。
例えば農業では、遠隔地にいる専門家に、5Gを使って作物の映像を送り、専門的な判断を仰ぐというナレッジ共有の取り組みをしました。このような具体的な案件があるところにエリアを広げていきたいと考えています。
また、NTTドコモではクラウド基盤を用意し、より低遅延で確かな5G活用が進むようサポートしていきます。
高速・大容量で低遅延の新しいモバイルネットワークを皆様のビジネスに、ぜひご活用いただきたいと思います。 (談)