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【支援活動・現場訪問】公益財団法人 かごしま産業支援センター

よろず支援拠点

2015年 秋号 2015.12.08


焼酎専用の粉末緑茶、女性向け肌活性化溶岩石、感謝の気持ちを伝えられるデザインスタンド…。鹿児島県の支援機関である公益財団法人かごしま産業支援センターが8月7日に開催した「新商品の共同記者発表会」では、特色ある商品が紹介された。

発表を行ったのは、同センターが中小企業庁の「よろず支援拠点」事業を通じて支援した企業5社である。

よろず支援拠点のオフィス

よろず支援拠点のオフィスは、1階の入りやす
い場所に設置している

かごしま産業支援センターは、製造業の研究開発や販路開拓をはじめ、県内企業の経営改革や創業をサポートしている。総合相談窓口、専門家派遣、マッチング支援などの多様な支援メニューを持つ。

事務局長の加世田登氏は、「大消費地から距離がある県ですので、地域の特産、強いところを伸ばす方針で支援しています」と説明する。

情報化支援の専門部署では、情報提供やセミナー開催に加え「EC等活用アドバイザー」によるネット通販・マーケティング相談も実施している。

方針を定め専門家の力を集結

2014年に始まったよろず支援拠点事業では、加藤剛氏をコーディネーターに、各専門分野のサブコーディネーターを配置。毎月150社近くの相談を受けている。

「まずはお話を伺って状況や課題を把握します。課題解決の方向性が定まった後は、デザイン、IT活用、PRなど専門家の皆様と連携して動きます。相談のテーマは半数以上が売上拡大です」と加藤氏は話す。

冒頭に紹介した、粉末緑茶を「焼酎専用」と焦点を絞って商品化した例も、販促方針アドバイスの結果であった。

よろず支援拠点は、センター本体の事業と密に連携しており、情報共有も頻繁だ。相談に訪れた企業が適切な支援を受けられるよう双方で気を配っている。

5月からはITコーディネータである前田理子氏が事業のサブコーディネーターとして参加。IT分野は同じ資格を持つ向江隆行氏と2名体制になり、より手厚い支援が可能となった。

前田氏はWebサイト制作支援の機会も多いというが、「作ることそのものより、前段階となるコンセプトの決定やブランドづくりをお手伝いしています」という。最適なPR戦略が描けてこそ、ITというツールが力を発揮できるからだ。

加藤氏は、「産業構造が変わっている今、ITの活用領域はとても広くなっています。さらに支援を深め、上向きのベクトルになる企業を増やしたい」と力強く語った。よろず支援拠点事業が加わって さらに踏み込んだ売上拡大支援へ